僥倖(ぎょうこう)とは
「なあ、ひつじ」
「なあに?」
「お前さ、僥倖って言葉知ってるか?」
「え、僥倖・・・? ああ、あれね、僥倖ね」
「どんな意味にゃんだ?」
「えーと、例えば・・・、『最近、栄子に彼氏ができたんだけど、どうやら僥倖で出会ったらしいよ』『え、マジで!? だったら私も僥倖に行けば彼氏できるかなあ?』みたいな感じアル」
「にゃんだそれ! 意味わかんねーし、僥倖って場所なの!? だとしたら、どこにあるんだよ!」
「えーと、たしか・・・、北朝鮮にあったはずアル」
「北朝鮮!? 危にゃい、危にゃい! ちゅーか、栄子は何しに北朝鮮に行ったんだよ!」
「そんなの出会いを求めてに決まってるネ」
「にゃるほど! それで彼氏ができたんだ!」
「その通り! いやー、良かったアル、無事栄子に彼氏ができて」
「そうだよね〜、って、んなわけあるかーい!」
「やっぱり?」
「もういいにゃ、ひよこに聞くから」
◼︎『僥倖』の意味とは?
「いやいや、北朝鮮にある都市の名前ではないんだよ」
「ほらにゃ」
「じゃあ、ひよこ。お前は『僥倖』のなにを知っているというアルか?」
「意味とか、その使い方とかだね」
「ほほう。それじゃあ聞かせてもらおうか、その意味とやらを」
「うん。僥倖っていうのはね、思いがけない幸いとか、偶然に得る幸運のことを言うんだよ」
「ほう、にゃるほど」
「どうやって使うネ?」
「例えば、予想もしてなかった幸運に恵まれたときに『なんという僥倖だ!』とか『まさかこんな僥倖に恵まれるとは思わなかった』とか、そんな感じで使えばいいんだね」
「ほほう。なんか昔話の笠地蔵みたいだにゃ」
「そうだね、まさにあれは僥倖だよね。・・・それじゃあ、ウチは用があるから、もう行くよ」
「用?」
「うん。最近、ウチの知り合いの栄子に彼氏ができたらしいから、ちょっと冷やかしてこようかと思ってね! そういうわけだから、バイバーイ」
「え!? 栄子って実在する人物だったのか!? ひつじがテキトーに考えた架空の人物じゃにゃかったのか!?」
【僥倖】ぎょうこう
・予想もしてなかった幸運
・思いがけない幸い
・偶然に得る幸運
・北朝鮮の都市の名前ではない
〈使い方〉
・こんな僥倖に恵まれるとは思わなかった
・あの試合に勝てたのは僥倖のおかげだ
・今生きていられるのは様々な僥倖が重なったからだ
・まさに僥倖としか言いようがない