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のんのんびより すーぱーりぴーと 第1話(その1)

【001】

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冬の寒さがやわらぎ、ようやく春の暖かさがやってきた入学式の少し前の日のこと。

宮内れんげ新たな物語が今始まろうとしていた。

 

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 年季の入った立派な家。そう、ここが彼女の住む自宅である。

玄関先にたぬきの置物っぽいものがあるが、そば屋などでよく見かける人も少なくないだろう。あのとぼけた感じの表情が、しかし逆に怖いと感じてしまうのは僕だけなのだろうか?

 

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居間にやってきたれんげは、すかさずテーブルの上に置いてあるピカピカのランドセルを発見。

さりげなく付いているハートのアクセサリーにも当然目がいった。 

 

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「おおおお〜〜〜!」

(ピカピカのランドセルを発見してしまったのん! しかもこの控えめに付いているハート型のアクセサリーが、いっそこのランドセルを輝かせてるん。そう、これはまるで赤い宝石なのんな!)

と、言わんばかりの表情を見せるれんげ。

 

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 「ピカピカだねえ」

そう言ったのはれんげの姉である宮内ひかげだった。

 「おばあちゃんが買ってくれたんだって」

眠そうな表情をしている一番上の姉宮内一穂がそう言うと、

「私のときは姉ちゃんのお下がりだったのになあ・・・」

(まったく、おばあちゃんは私をなんだと思ってんだ!? あれか? 疎ましいのか? 私が可愛すぎるから嫉妬してるのか? きっとそうだ! うん、そうに違いない)

そんな表情を浮かべるひかげであった。

 

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「お〜・・・」

(これがうちのランドセル・・・、ここからうちの新たな物語が始まるのんな)

そんなことを今にも言いだしそうな表情でランドセルを手に取ったれんげ。

そんなれんげに対して、姉の一穂が言った。

 

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「あっちの姿見で見てきたら」

あいかわらず眠そうな表情である。

ところでさっきから気になっていたのだが、後ろに映っている本棚。あれって結構な数の本だよね? おそらく100冊くらいはあるんじゃないのかな?

ということは、この宮内家には中々の読書家がいる、ということなのではないだろうか?

そして、その読書家が一体誰なのかが気になるところなのだが・・・。

まあ、それはさておき。

 

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 「うん」と一言いうと、姿見のあるあっちの部屋へと向かって、れんげは走り出した。

その姿はさながら希望に満ちた少女そのものだった。

 

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 姿見、つまり全身がうつる大きな鏡の前に到着すると、正面、横、斜め、といった様々な角度から己の姿を確認するれんげ。

人生で初めてランドセルを背負った自分の姿に、思わず「お〜」という言葉を口に出していた。

(これがうちなのん? まるで別人のようなんな)

きっと、そんなことを思っていたに違いない。

 

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(これでうちも大人の仲間入りなんな。今日からこの赤いランドセルいろんなもんを背負ってうちは生きていくのん!)

そんなこと思いながら鏡の前に立っていたれんげは、「はっ!」と何かを思い立ったようにこの場を後にするのであった。

 

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 居間で一穂とひかげがまったりしていると、玄関の戸が開くガラガラっという音が聞こえた。

お茶を飲んでいた一穂は「ん?」と反応したが、その表情はあいかわらず眠そうである。

「れんげー、どこ行くのー?」

と、質問を投げかけるひかげ。

ところで、ひかげの後ろ姿というのも中々乙なもである。特に髪の毛先のほどよい感じがグッドだ。

 

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「お散歩なん!」

一言そういうと、れんげは玄関の戸をガラガラっと閉めて外へと向かった。

この『散歩』『お散歩』というあたり、いい具合に子供感が出ている。

 

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外へ出たれんげは、おばあちゃんが買ってくれた赤いランドセル主人公としての大きな責任を背負って歩き出した。

 

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 それにしても自然豊かないい所である。

こんな所でのんびり暮らせたらいいなあ、なんて思ったりするのだが、実際はお店とかも少なくやっぱ不便なことも多いのかな?

でも今の時代、通販でいろんなものが買えるわけだし、ものがなくて不便ということはなさそうな気がする。

そもそも今の時代、ものがありすぎて逆に困る、なんてこともあるわけで。

 

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 (ここがうちの村。のんびりのどかな所です)

と、れんげの心の声が語りかける。

一体誰に語りかけているのだろうか?

やっぱ視聴者かな?

それとも、れんちょんにしか見えない何者かに語りかけているのだろうか?

 

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(この春からうちは、村でたったひとりの・・・)

と、引き続きれんげの心の声。

 

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そして、れんげは「はっはっはっは」と息を荒くしながら走り出し、土手を登り始めた。

確かに子供のころって、意味もなくフェンスをよじ登ってみたり、あらゆる所を登ろうとしたものだよね。

いや、意味はあったのかもしれない。子供なりに。

そんなわけで、土手を登り終えたれんげは「はあ〜」とひと息つき、そして振り返ってこう言った。

 

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 「ピカピカの一年生になるん!」

ドヤ顔である。

 

 

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続きはこちら

shinkaron.hatenablog.com

 

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最後まで読んでくれてありがとにゃん!

よかったら、また遊びに来てにゃ〜!